「まずは無料で試してみよう」。そう思って登録した無料体験が、気づいたら毎月の請求に変わっていた。よくある話です。
無料体験そのものは悪いものではありません。合わなければやめられるのですから、むしろ親切な仕組みです。問題になるのは、いつ有料に切り替わるのかと、どこで止められるのかを、登録した本人が把握していない場合だけです。
この記事では、無料体験を始める前に確認しておく項目と、始めたあとにやっておく1分の作業をまとめます。特定のサービスの良し悪しは扱いません。どのサービスにも共通する見方の話です。
登録前に確認する4つ
有料に切り替わる日は、いつか
無料体験の期間は「7日間」「1か月」などと書かれていますが、起算日がいつかは書かれていないことがあります。登録した当日を1日目と数えるのか、翌日からなのか。ここが1日ずれるだけで、請求が発生します。
2022年6月1日から、通信販売の最終確認画面には、無料や割引の期間から有料に切り替わる時期と支払う金額を、あらかじめはっきり表示することが求められています(消費者庁)。つまり、申し込みを確定する画面に書いてあるはずです。 書かれていない、探しても見つからない、という場合は、その時点で一度立ち止まる材料になります。
解約の受付は、いつまでか
「無料期間中に解約すれば料金はかからない」と書かれていても、受付の締め切りが期間の終わりぴったりとは限りません。「次回更新日の前日まで」「更新の24時間前まで」といった条件が付くことがあります。
確認するのは期間の長さではなく、締め切りの日時です。
解約する場所は、どこか
サービスによって、解約を受け付ける場所が違います。
- そのサービスのサイトやアプリの中
- App Store や Google Play の「サブスクリプション」の画面
- 契約したときの販売店や代理店
アプリを消しただけでは契約は終わりません。 これは無料体験に限らず、サブスク全般で最も多い勘違いです。
体験中に付いた特典は、どうなるか
無料体験に「初回限定の特典」「ポイント付与」が付いている場合、解約すると特典が取り消される、あるいは特典を受け取ると解約の条件が変わることがあります。ここは各サービスの規約に書かれています。
登録した直後にやる1分の作業
登録前の確認より、こちらのほうが効きます。
- 最終確認画面を保存する。 スクリーンショットで構いません。消費者庁も、申し込み時の画面を保存しておくことをすすめています
- 有料に切り替わる日の「3日前」に、スマホの通知を1つ入れる。 前日ではなく3日前です。前日だと、その日が忙しければ流れます
- 解約する場所を、その通知のメモ欄に書いておく。 3か月後の自分は、どこで解約するのか覚えていません
この3つで、無料体験の事故はほとんど防げます。難しいのは「思い出すこと」だけだからです。
「無料」という言葉に引っ張られないために
消費者庁は、「お試し」「無料体験」を強調した表示について、消費者が契約ではなく試用だと誤解しやすい点に注意を促しています。試すつもりだったのに、実際には継続する契約に申し込んでいた、という食い違いです。
言葉の印象ではなく、最終確認画面に書かれている条件を見る。これが唯一の確実な方法です。
なお、表示が誤解を招くものだった場合、契約を取り消せることがあります。おかしいと感じたときは、消費者ホットライン 188 に相談できます。
複数のサービスを試している人へ
無料体験を1つだけ試しているうちは、覚えていられます。問題は3つ目からです。
- どれを、いつ登録したか
- どれが、いつ有料になるか
- どれを、どこで解約するか
これを記憶に頼ると、必ずどれかが漏れます。紙でも表計算でも構わないので、契約名・月額・次の更新日・解約する場所の4列だけ書き出しておくと、見落としが止まります。
よくある勘違い、3つ
「アプリを消せば止まる」
止まりません。契約は、アプリではなくアカウントに紐づいています。アプリを消すと、解約画面にたどり着く手段のほうが無くなるため、かえって面倒になります。解約してから消す。順番を逆にしないでください。
「クレジットカードを止めれば止まる」
カードを止めても、契約そのものは残ります。支払いが滞った扱いになり、督促が来たり、延滞として記録が残ったりすることがあります。支払いを止めるのではなく、契約を終わらせるのが正しい順番です。
「無料期間内なら、いつ解約しても同じ」
同じではありません。解約した瞬間にサービスが使えなくなるものと、期間の最終日まで使えるものがあります。前者の場合、早く解約すると残りの日数を捨てることになります。どちらの型かは、解約画面に書かれています。 慌てて押す前に一度読んでください。
解約の画面が見つからないとき
順番に探すと、たいてい見つかります。
- そのサービスにログインし、「アカウント」「設定」「プラン」「お支払い」のいずれかを開く
- 見つからなければ、スマホの「設定 → 自分の名前 → サブスクリプション」(iPhone)、または Google Play の「お支払いと定期購入」を開く
- それでも無ければ、契約したときに届いた確認メールを検索する。解約方法の案内か、問い合わせ先が書かれています
3つ試して見つからない場合は、期限が来る前に問い合わせてください。締め切りを過ぎてからの相談は、選択肢が減ります。
よくある質問
無料体験だけ使って解約するのは、失礼ではありませんか。
いいえ。無料体験は、合うかどうかを判断してもらうために事業者が用意した仕組みです。合わなければやめる。そのための期間です。
解約したのに請求が来ました。
まず、解約が完了した画面やメールが残っているか確認してください。次に、その請求が解約前の期間ぶんでないかを確かめます。どちらでもない場合は、サービスの問い合わせ窓口へ。話が進まないときは消費者ホットライン188に相談できます。
家族が使っている分も、まとめて管理できますか。
契約が別のアカウントなら、明細だけでは追えません。誰の名義で、どの支払い方法かを一覧にしておくのが確実です。
まとめ
- 無料体験で確認するのは、期間の長さではなく有料に切り替わる日と解約の締め切り
- 解約の場所は、サービス内・アプリストア・販売店のどれかを、登録時に確かめる
- アプリの削除は解約ではありません
- 登録した直後に「3日前の通知」を1つ入れる。ここが一番効きます
- 判断に迷う表示に出会ったら、消費者ホットライン188
無料体験は、使えば得をする仕組みです。損に変わるのは、止め方を決めないまま始めたときだけです。
参考にした公式情報
- 消費者庁「インターネット通販の定期購入トラブルには御注意を!」(2022年6月1日からの表示ルール)https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/amendment/2021/notice03/ (2026年9月3日確認)